恋色カフェ
首筋に触れていた指が、頤に滑る。──とすぐ、塞がれた唇。
いくらここが個室で使われていないとはいえ、誰が来るかわからないというのに。
「そんなとこ見せられると、我慢出来なくなる」
「そんなとこ、って、」
「…………可愛いとこ」
今、そういうこと言うなんて……ズルい。
私はそれを振り払うように小さく首を振り、冷静に務めた。
「誰か来たら、」
「来ないよ」
「見、られてるかも……っ」
「誰も見てないって」
「だってこの間……」
「……え?」
不思議そうな眼差しが私を射抜く。今だ、言ってしまえばいい。それを心で誰かが囁く前に、私は違う言葉を聞いてしまった。
“言っちゃだめだ”