恋色カフェ
車が減速し始め、もうすぐこの時間が終わると、予告される。
湧き上がってくる欲求を振り払い、勝沼は彗に声を掛けた。
「着いたっすよ」
「ウ……ッン……」
呼びかけに彗は少し色っぽい声を出したものだから、勝沼は余計に自制しなくてはならなくなった。
「……高宮さんっ」
喉が詰まる。が、いつまでもタクシーに乗っている訳にはいかない。勝沼が無理矢理声を絞り出すと、意図せず怒ったような声になった。
「……ん?」
寝ぼけているのか、目を擦りながらぼんやりとした視線でこちらを見てから、
「うわぁぁっ!」
彼女は思いきり後ろに跳ね上がった。