恋色カフェ
優しく微笑んだ勝沼君の顔が、目に眩しく映って。私は階段を上り終えたところで、しばし目を瞑った。
──どうして、あんなに真っ直ぐなんだろう。
事務所の前まで来ると、中から話し声が聞こえてきた。躊躇いつつも、仕事なんだからと割り切ってノックをすれば、いつもの、店長の返事。
「失礼します」
視界に入った姿に、一瞬体が固まった。反射的に目を伏せてしまい、心の中で歯噛みする。
目を逸らした段階で負けなのは、人間だって同じ、なのに。
「じゃ、来週から忙しくなると思うけど、よろしく頼むね」
「はい。あーもう、今からワクワクしちゃうなぁ」
「やりがいもあるだろ?」
「はい、とっても」