恋色カフェ



「お疲れ様です」


ロッカーのある休憩室ですれ違うのは、ホールスタッフだけだ。さすがに今日はバイトも含め、フロアスタッフは全員残業らしい。

定時で上がれることに、少しの罪悪感とかなりの寂しさを覚えながら、私は鞄を掴んで休憩室を後にした。


1階の廊下から店内を覗き見ると、雑貨コーナーは全てパーティションで区切られ、既に一般のお客さんが入れないようになっていた。

その隙間から、フロアスタッフが慌ただしく動いている様子が窺える。



あの中に、店長もいるのだろう。

……もちろん、万由さんも。



何を、馬鹿なこと。そんなの至極当たり前のことなのに。


< 370 / 575 >

この作品をシェア

pagetop