恋色カフェ
「お疲れ様です」
ロッカーのある休憩室ですれ違うのは、ホールスタッフだけだ。さすがに今日はバイトも含め、フロアスタッフは全員残業らしい。
定時で上がれることに、少しの罪悪感とかなりの寂しさを覚えながら、私は鞄を掴んで休憩室を後にした。
1階の廊下から店内を覗き見ると、雑貨コーナーは全てパーティションで区切られ、既に一般のお客さんが入れないようになっていた。
その隙間から、フロアスタッフが慌ただしく動いている様子が窺える。
あの中に、店長もいるのだろう。
……もちろん、万由さんも。
何を、馬鹿なこと。そんなの至極当たり前のことなのに。