恋色カフェ


ゴクリ、と喉が鳴った。

この人の真意がわからないうちは、下手なことも言えない。


「さっき店に入ったけど、彗、いなかったよな?」

「あー……私はフロア勤務じゃないから」

「前に働いてた時はフロア勤務だったって言ってただろ」

「前は、ね……」



タイミングが悪すぎる。どうして今この人に会ってしまったんだろう。


私だって、凄くフロアに居たかった。みんなで一緒に店を作り上げたかった。大好きなアンバーが変わっていく瞬間を、目の当たりにしたかった。

……何より、店長と一緒に仕事がしたかった。支えたかった。


3年前、自ら手放したくせに。


こんな我儘で、どうしようもない嫉妬だらけの自分、思い出したくなかった。


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