恋色カフェ
誰かと約束している、という理由ならまだしも、買い物などと言おうものなら、付き合うよ、なんて言い出しかねない。
「やっぱり無いんだろ?」
そう言って笑った秀人の顔は、奇妙な程明るくて────、ぞっとした。
「──待たせてごめん」
ふいに後ろから肩を叩かれ、危なく飛び上がるところだった。
「あ、知り合い?」
「え……あ、う、うん……」
目の前の彼は、秀人にこんばんは、なんて笑顔で挨拶をしている。車の往来の音よりも、心臓の音が耳に響く。
「なんだ、本当に予定があったのか」
秀人は残念そうにそう言った。こちらはうん、と一言声を絞り出すのがやっと。
「もう話は済んだの?」
「え、あ……うん」
「じゃ、すみません。さ、遅れちゃうから行こう」