恋色カフェ
心配してくれているからなのか、相変わらず手は繋がれたまま。
走ったせいで手のひらが汗ばんでいる気がするし、恥ずかしいから離して欲しいのだけど……。
自分から引けばいいだけだと思いながらも、それをしたら勝沼君を傷つけてしまいそうで。
息を整えるふりをして俯き、私は繋がれた手を恨めしく見つめた。
「ねえ、彗さん」
勝沼君がこちらを向いたのがわかって、私は慌てて手から視線を彼に向ける。
「なに?」
「飯、食いに行かない?」
「……え」
「ああ、予定が無かったら、だけど」
まさか、その台詞を今日二度も聞くことになるとは思わなかった。
──どうしよう。
後ろを振り返ってみる。細い通りには誰もいない。もちろん、秀人も。……でも。