恋色カフェ
「やっぱり、ヤバい奴だったんじゃないの?」
勝沼君の声を背中に聞いて、後ろを振り返ってしまっていた自分に、ムカついた。
悟られるような真似をして。また、私は繰り返すつもりなの。馬鹿じゃないの。
「いいよね?」
「……え、っ」
「いや、俺が我慢できない」
「え、ちょっ……」
「そんな顔俺に向けられたら、1人になんて出来ないっすよ」
繋がれたままだった手を引いて、勝沼君は大きい通りの方へとどんどん歩いていく。
「あの、か、勝沼君……っ」
「予定あるの?」
「無、いけど……」
「じゃ、何も問題ないっすよね」
嘘を吐くことも出来ず、逃げ出すことも出来ず、私はただ勝沼君に手を引かれていた。
やっぱり、私は馬鹿だ。