恋色カフェ
空は暗くなり、街灯の、オレンジ色の光が足元を照らす。
何処へ行くつもりなんだろう。
あれから勝沼君は何も言わず、私も黙って彼の後ろを歩いている。
相変わらず纏わりつく湿気が更に手をべたつかせている気がして、ますます申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「いろいろ考えたんすけど……この間の店でもいいすか」
振り返った勝沼君は、笑ってはいなかった。そんな真剣な顔を向けられたら、もう余計なことは何も言えなくなる。
「……どこでもいいよ」
遂に観念した私は、少し口角を上げながら答えた。
「いや、手持ちが他に無い訳じゃなくて……あそこなら個室みたいに区切られた席もあったなって」