恋色カフェ
「わかってますか? そういう奴なんすよ、店長は。彗さんがさっき俺に話したこととは比べ物にな……」
「出る」
「、え」
「ごめん、もう出る」
全部食べられなくてごめんなさい、と思いながら、店内のゴミ箱に柔らかくなったコーンを捨て、私は勝沼君を待たずに店を出た。
飲み屋街をほとんど駆け足に近い早足で抜け、アンバーの前に着く。
さっき確かに、ここに、店長がいた。
白いシャツ。思っているよりも、広い背中。柔らかそうな髪。シークレットの香り……。
「ううー……っ」
──もう、限界だった。
私は、子供のように声を上げて泣いた。嗚咽まで漏れる程に。
「彗さん……ごめん」