恋色カフェ
私を追いかけてきた勝沼君の声が、背中に聞こえる。それでも私は泣き続けていた。
だってもう、どうやっても止められない。
「彗さんを追い詰めたかった訳じゃなかった。本当に……ごめん」
大丈夫。わかってる。私を心配してくれたんだよね。
勝沼君に言いたい言葉はどれも吐き出されず、出てくるのは嗚咽だけ。
しゃくりまで出て、息が苦しい。こんなところ、勝沼君に見せたくないのに。
「……彗さん、もう一度、中入ろう」
飲み屋街からこちらに流れてきている酔っ払いを気にしてくれたのだろう。背中に置かれた、勝沼君の掌。
私はそれに逆らわず、もう一度アンバーの中に入った。