恋色カフェ
静かな廊下に、自分の泣く声だけが響く。ああ、みっともないな、私。何やってるんだろう。
「ごめん……」
勝沼君はぼそりとそう言って、私の背中を擦っている。そうされればされる程、涙は止まらなくなった。
勝沼君の優しさが痛いのか、惨めなのか、悲しいのか、辛いのか。自分でもよくわからない。そのうちのどれでもないかもしれないし、全部かもしれない。
我慢していたつもりはなかったけど、多分ずっと我慢していたんだ。だから、わからないんだ、きっと。
──でも。
こうなって初めて、気づいたことがある。
余裕のあるふりをして、いつも俯瞰で物を見ようとしていたけど。
端からそんな余裕、私には微塵も無かった、と言うこと。