恋色カフェ


プシュ、と缶を開ける音が響く。勝沼君は一口飲んで「不味い」と笑った。



どうして勝沼君は、まだ真っ直ぐでいられるんだろう。思いきりぶつかって、傷だらけになっても、こうやって笑ってる。


「……勝沼君」

「なんすか」


涙はもう落ち着いた。きっと化粧も剥げて、酷い顔をしているに違いない。それでも私は、勝沼君を真っ直ぐ見据えた。



「さっき、話したよね。私は店長を忘れる為に、あの彼を利用したって」


勝沼君は缶コーヒーを口に近づけた恰好で、こちらをじっと窺っている。


「もし、私が勝沼君と付き合ったとしても、また前と同じことを繰り返すかもしれないんだよ?

なのに、こんな私にどうしてそこまで……」


< 410 / 575 >

この作品をシェア

pagetop