恋色カフェ
目の前の彼は、缶コーヒーを一気に飲み干し、ことりと傍らにそれを置いた。
「……愚問っすね、それは」
勝沼君はそう言って、苦笑する。
「改めて言ってほしいなら、いくらでも言うけど」
「……え」
「俺の気持ち」
まさか、そんな言葉が返ってくるとは思わなかった。不意打ちに、顔が熱くなる。
「そんなつもりじゃ……」
「わかってるっすよ」
勝沼君は勢いよく階段を駆け上がっていく。何事かと思っていると、どうやら2階にあるゴミ箱に缶を捨てに行ったらしい。ゴトン、と重たい音が響く。
「もう最初から、相当なハンデを負ってたしね。
これくらいのことで逃げたり怯んだりするなら、初めから彗さんを追いかけたりなんかしないし」