恋色カフェ
私の名前を呼ぶ、落ち着きはらった声色。怒らせたかと、息をのむ。
「アンバー辞めた時
俺に、最後に言った言葉、覚えてる……?」
「……え……」
「覚えてない?」
急に車を路肩に停めると、森谷店長は私を真っ直ぐ見つめた。
車内にあった、青白い光を放つライトが、店長の端整な顔を映し出して、視線が逸らせなくなる。
だって、一瞬見せた、切なさが──。
いけないと、わかっていたのに。
手早くシートベルトが外され、頭を押さえられて。
「……んっ……、」
まずい、と思った時にはもう手遅れだった。
──奪うような、キス。