恋色カフェ
「彗ー」
「いきなり来るからびっくりした……って、」
あかねの正面に座っていた男性が視界に入って、更に驚く。
「よ、久しぶり」
「てっちゃん……!」
そこに居たのは、同じ居酒屋仲間のてっちゃん。ずっとてっちゃんと呼んでいたから、最早、本当の名前が何か思い出せないのだけど。
彼と会うのは、どれくらいぶりだろう。
一緒に働いていた頃のてっちゃんは、色白の草食系といった感じだった。でも今、目の前にいる彼はすっかり日に焼けて、がたいもよくなっている。そう言えば、この前あかねから宅配の仕事をしてると聞いた気がする。
「今日は店に居たんだね、彗」
「たまたま昨日と今日と、ヘルプでフロア勤務になったの」
「じゃ、タイミング良かったんだー」
このまま、ここで立ち話をしていていいものかと思い始めた時、背中にとん、と小さな衝撃が走った。
「いらっしゃいませ」
店長は持っていたメニューをテーブルに置くと、こちらを向いた。