恋色カフェ


「あの時はまだ付き合ってなかったんだってば」


照れくさかったのか、隣のあかねは私を肘で小突く。


「飲みに行ってから、メールでちょくちょく連絡取りあうようになって、それで……ね」


目の前のてっちゃんも、まあそういう訳、とこちらも照れくさそうだ。何とも初々しい。本当に付き合い始め、なんだ。



「お待たせしました」


さっきまでの初々しさはどこへやら。あかねは店長に向けてなのか、オムライスになのか、きゃあ、と黄色い声を上げた。てっちゃんはそれを見て、複雑な顔をしている。ちょっと、微笑ましい。

彼らの前にトレーが置かれると、良い香りがこちらにまで漂ってきた。ああ、お腹減ったな。


「高宮さんのは、これ」

「え……私、何もオーダーしてないですよ……?」


友達とはいえ、スタッフがお客様と一緒にここで昼食を取るのはどうかと思って、何もオーダーしなかったのに。



店長が私の目の前に置いたのは、パニーノとブレンドコーヒー。

──あれ。でもこのパニーノって……。


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