恋色カフェ
「どうせ、お昼持って来てないんでしょ?」
「それは……そうですけど」
「遠慮なら、しなくていいよ。お金はちゃんと後で請求するから」
店長はくすりと笑いを零して、またキッチンの方へ消えていってしまった。
いっただっきまーす、とあかねがオムライスにスプーンを差し入れたのを見て、私もパニーノを一口齧ってみる。
──やっぱり。
アンバーのパニーノは、モッツァレラ・トマト・バジルのカプレーゼと、プロシュート・ルッコラの2種類。
なのに、これは。
「アボカド、とツナ……」
「なに、どうしたの?」
「う、ううん……何でもない」
メニューに無いものを出す、って、どういうことだろう。
「──あのさ、彗」
ぐるぐると考えを巡らせていると、突然、あかねが重たい声を出したものだから、肩が跳ね上がった。
「な、なに……」
「秀人から、連絡って来てないよね?」