恋色カフェ
虚を衝かれて、固まる。
あかねを見れば、口許に無理矢理笑みを浮かべた表情で。てっちゃんは、オムライスに視線を落としたまま。
──本当は、薄々気づいていた。
ここに2人揃って来たのは単に、付き合い始めたのを報告する為じゃないってことぐらい。
「…………ちょっと前、店に来たよ」
迷ったものの、結局、正直に答えた。少しだけあかねから視線を外しながら。
完全に外していなかった視界の隅に、彼女の歪んだ表情が映る。
「……やっぱり、か」
あかねの、やっぱり、という言葉の先が、恐いながらも気になった。
「やっぱり、ってどういうこと……?」
あかねとてっちゃんは顔を見合わせる。やや間があってから、私を見つめたのはてっちゃんだった。
「あいつ。俺の職場にも来たんだよ」
「職場……って、宅配の仕事してるんだよね、てっちゃん」
「ああ。前に仕事の話をあいつにしてたから、勤務先と出勤時間を覚えてたんだと思う」