恋色カフェ
私の気持ちをよそに「掻い摘んで話すつもりが、随分と長くなっちゃったね」と言って、理英さんは笑う。
「彗ちゃんが辞めた後、煕さんの様子が変でね」
突然話の矛先が変わって、動揺する。
「私から、あの時提案したことを実行してもいいよ、って言ったんだけど。煕さんは私の方の状況が変わってから、と思ってたみたいで、なかなか本心を打ち明けてくれなかったの」
店長があの時話してくれたことは、本当だった……?
ドクドク、と、体中の血液が胸の辺りに集中していく。
「何度か話しているうち煕さんも納得してくれて、いざ離婚、と思ったら、全然簡単にはいかなくてね……。
どうにもならないと諦めかけた時『俺がどうしようもない男になればいいんじゃないか』って。さすがにそれは止めたんだけど」
「……どうしようもない、男って」
「アンバーのスタッフ達が話してる、あんな男」
理英さんは笑いながらそう言った。