恋色カフェ
「信頼の置ける子だと思って、ただ一緒にホテルに入ってくれって頼んだんだけど、ホテルに入った途端、急に“女”を出してきたらしくてね。煕さん、押し切られてどうしようもなかったみたい。
据え膳食わぬは、なんて言うから、彼もしなくちゃ失礼だと思ったのか……まあ、何にしても女を甘く見過ぎたってことね」
「こちらの弱みも握ってるし、押し切ればまた関係を持ってくれると彼女は思ってたらしいけど」と、理英さんは肩を竦める。
──やっぱり、関係を持った人はいたんだ。
以前聞いた、勝沼君や万由さんの話までも、頭の中に押し寄せてくる。
「あ……ごめんなさいね。そんな顔させるつもりはなかったんだけど」
「えっ……」
今、自分がどんな顔をしているのかわからず、私は慌てて、いえ、と首を振って見せた。
「でもそんな沈んだ顔するってことは、煕さんのことは好きなのよね?」
彼女に、真っ直ぐな笑顔を向けられたら、さすがに逃げられない。
「…………はい」
「なら良かった」
満足げな顔をした理英さんに困惑しつつ、私はまだ残る疑問を彼女にぶつけてみることにした。