恋色カフェ


「……彼を信頼していたからこその話なの。それだけは、わかってね」


理英さんは、自分の擁護の為にそう言ったのではないと、すぐに気づいた。店長は本来、人を利用するような人間じゃない。彼女は私にそう言いたかったのだろう。




それから10分程話をして、まだ仕事が残ってるんだった、と理英さんは慌ただしく、それでもいつもの笑顔で店を出て行った。


『煕さん、前と比べ物にならないくらい物凄く仕事熱心になったでしょ。あれね、

“いつか、高宮さんと再会した時、今より少しでも、彼女の前で胸を張れる人間になっていたいんだ”

って。この3年、必死に頑張ってたのよ』


最後に、こんな、とてつもなく大きな爆弾を投下して──。



私はテーブルの上に置かれた、彼女の名刺に目を向けた。


“天野理英”

旧姓に戻った彼女の名前に違和感を感じながらも、本当に離婚したんだ、と否応無しに実感させられた。


(しかし……元妻に応援されてるこの状況って、どうなんだろう)


あまりのことに、まだ、理英さんの話がうまく呑み込めてはいないけど。




────会いたい。


店長に、今すぐに会って、確かめたい。



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