恋色カフェ
俯いて泣き崩れている彼女の顔には、くまがはっきり見て取れた。やつれている気もするし、きっとこの数日、満足に眠っていないのだろう。
万由さんはようやく自分の鞄からハンカチを取り出し、目を押さえた。
「あの日、食事の後。少しだけドライブして帰ろうか、なんて言われたから……。期待してしまった私が馬鹿だった」
私の知らない、店長と万由さん2人だけの時間……。想像すれば、嫉妬で狂いそうになる。
私は、万由さんの言葉が思考の海に落ち込まないように蓋をした。
「告白、したの。絶対、良い返事をもらえるだろうって思って」
俯いた彼女から、弱々しい声が絞り出される。
「でも……」
ここまで心情を吐露していた万由さんは、言葉を詰まらせた。そのうちハンカチで顔を覆い、しゃくり上げる声も聞こえてくる。
今、何か声を掛ければ、きっとさっきのようにヒステリックに返されるに違いない。
私は仕方なく、彼女が落ち着くまで待つことにした。