恋色カフェ
「高宮さん、お先ー」
「あ、お疲れ様です」
キッチンに残っていたスタッフが私に声を掛けてから2階に上がっていく。気がつけばお店には、私1人。
「……私もそろそろ、行かなきゃ」
店長はもう、帰ったかな。
話したいことがたくさんある筈なのに、何故か会いたくないような、妙な感じがする。時間を置けば置く程、気恥ずかしさを感じてしまっているのだろうか。
「これこそ、勢いが大事、だよね……」
そう独りごちて、ゆっくり、ゆっくり、何かを確かめるみたいに、階段を歩く。
事務所の前に着いてから、私は小さな声で、よし、と自分に気合を入れた。