恋色カフェ
そこまで言うと店長は煙草を取り出し、2本目に火を点けている。
最近、煙草吸い過ぎだな。体が心配だから、あんまり吸わないでほしいのだけど……。
そんなことを思いながら店長が吐き出す煙を見つめ、さっきの言葉を心の中で反芻した。
――あれ。ちょっと、待って。
元々は責任感の強い万由さんにそんな話をしたら、彼女はどう思うのか。私よりも彼女の性格をよく知っている店長が、考えつかない訳が無い。
引き留めていない、と言ったけど。もしかしたら、店長は――。
「……引き留めてくれたんですね」
「俺は引き留めてないって言っただろ」
「でも、結果的にはそうなったじゃないですか」
「……土屋は、自分が感情に左右されてどんなことをしたのか、ようやく理解したんだと思うよ。泣く前に、正気に戻ったような顔をしてたから」
店長は立ち上がり、事務所の窓を開ける。私が煙いと思ったのだろう。
昼間とは違い、窓からは涼しい風が入ってくる。