恋色カフェ
「わ……」
店長が招き入れてくれた部屋を見て、思わず声を上げてしまった。
デザイナースマンションは賃貸情報誌で写真だけは見たことがあったけど、実際の部屋を見るのは初めて。
間取りも斬新で、部屋同士の仕切りが少ないせいか、かなり広く見える。
誰もが憧れる部屋。ここに、店長は住んでいるんだ――。
「早く、中入って」
部屋に見蕩れていると、不意に耳の後ろで声が聞こえ、思いきり心臓が跳ね上がる。
「あ、ご、ごめんなさい……!」
「部屋、そんなに綺麗じゃないから。あんまりじっくり見るなよ」
そう言われて、改めて部屋を見渡してみる。確かに、ソファーに服が掛けられていたり、雑誌が床に置かれてはいるけど、汚いという訳じゃない。
男の人の部屋なら充分、綺麗な方じゃないだろうか。
「まったく、じっくり見るなって言ってんのに……」
「だって、あまりに素敵で」
彼は、ふ、と笑みを落とし、私の頭に手を乗せた。
「何か、飲む?」
「あ……はい」
「じゃ、そこ座ってて」