恋色カフェ
さっき、服が掛けられていた緑色のソファーに座る。服は店長がすぐ、どこかへ持って行った。
――ここから、キッチンの様子が見えるんだ。
飲み物の準備をしている白いシャツの後姿を見ていると、何だかまだアンバーにいるような感じがする。
(珈琲空間……Cafe Book……)
無駄に緊張しているこの状態を何とかしようと、私は気を散らす為、床に積み重なっていた雑誌に目を向けた。見れば、どれもコーヒーやカフェについての本ばかり。店長らしい。
「ふふ……」
思わず笑みを漏らすと、何笑ってんの、と頭上から降ってきた、声。
「何か変な本でもあった? エロ本とか読まないよ、俺」
「あはは、違いますよ。何か、店長らしいなって」
「……また」
「……え?」
「やっぱり俺にお仕置きされたいの? 彗」
「そ、……っ」
不敵に唇の端を上げた顔が視界に入り、ドキリとして視線をテーブルの方へと逸らす。
「何度言えば、店長、って呼ばなくなるの」
そう言いながら、店長はテーブルにカップを置いた。