恋色カフェ
この3年で、この人は本当に変わったんだな。
……変わって、しまったんだな。私の知らない、店長に。
「ホテルディナーのデザートで出て来ても、不思議じゃない味ですよ。本当に美味しい」
「それは良かった」
──3年って。束の間のようだけれど、人を変えるには十分すぎる長さかもしれない。
私だって、この3年。何もなかった訳じゃない。
あっという間にプレートの上の塊は無くなって、口の中には寂しさが広がる。
それはさっき、店長の手の温もりが消えていった時の、心細さに似ている気がした。
「ティラミスの語源になったイタリア語、ってさ。
“私を元気づけて”って意味らしいよ」
店長は厨房から出て私の隣に座ると、そんなことを言った。