恋色カフェ
「おかげで、あの後味わった喪失感は、半端じゃなかった」
慌てて逸らした視線は、また店長へと向けられることになってしまった。
喪失感、って、どういう……
「安易な約束なんか、したくなかった。曖昧にもしたくなかった。
実際、どれだけ待たせることになるかも、わからなかった訳だし」
淡い予感に、ドクドク、と、鼓動は煩く響いてくる。
「高宮さんと衝突して話せなくなってから、俺は自分の中にあったものに薄々気づき始めてた。
で、そこにさ? それも最後の日にそうくるか、って」
「だ、って……」
「滑稽で、情けなかったのは俺の方だよ」
店長に掴まれていた左手が、強く、引っ張られた。