恋色カフェ
「あ、彗ちゃんとリックと一緒だったんだ」
弾んだ声と共に、パーティションの外から顔を出したのは、万由さん。
“リック”というのはもちろん、勝沼君のこと。外国人のようなあだ名なのは、名前が“陸(りく)”だから、という、意外と単純な理由らしい。
「万由さんも一緒すかぁ……」
「何よ、私が一緒じゃ不満?」
テーブルには笑い声が響く。一瞬にして塗りかえられた、空気。助かった、と、私は心の中で胸を撫で下ろす。
「こんな機会、なかなか無いからちょっと楽しいよね。スタッフ同士で、アンバーのランチなんてさ」
「そうっすよねー。もう俺、朝から楽しみだったっすもん」
「うっわ、子供みたい」
「……それ、かなりの侮辱っすよ」