恋色カフェ
万由さんはそれを見て、大笑いしている。私は何に同意してしまったかと、ただ、動揺。
取りあえず勝沼君に声を掛けようと、口を開きかけた時──。
「盛り上がってるなー」
耳に飛びこんできた声に、胸が鳴った。
「わ、すみません! 店長に運ばせるなんて」
「いいんだよ。今日はみんなにそうしてるんだし」
万由さんが慌てて席を立とうとしたところを制し、店長は運んできた皿をみんなの前に置いた。
一瞬で、テーブルにはカレーの良い香りが充ちる。
「新メニューのチキンカレーだ。楽しいのはいいけど、後でちゃんと感想を言えるように、真剣に食べてくれよ」
いただきます、とみんながカレーに視線を落とした後。
店長は私にしかわからないよう目配せをしてから、キッチンへと戻っていった。