恋色カフェ
あの日から、私達は付き合っている────、と思いたい。
『思いたい』と曖昧なのは、この関係に今ひとつ自信がないから。
あの時、嬉しい言葉も、安心出来そうな言葉も言ってもらえた、けど。
肝心なことは、私が心底欲しい言葉は、未だに与えてくれないのだ、あのヒトは。そうかと思えば、今みたいに艶っぽい視線を向けてくる。
どんなに甘い台詞を重ねられても、肝心な言葉1つの重さには敵わない。だからこそ、店長の口からその言葉が聞きたいと思うのに。
カレーを半分ほど食べ終えたところで、何気無くパーティションの隙間から店内に視線を向ける。店長は、彼目当てで来たと思われる女の子2人組と、楽しそうに話をしていた。
(受け流す余裕はない、な……)
「高宮さん、どうしたんすか?」
「あ……ううん、どうもしないよ。何か……この時間にお店にいるの、新鮮だなって思って」