シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
視界を塞がれ、感じるのは外の冷たい空気。
それと、ぼそぼそと話す人の声。
馬車のようなものに乗せられて、ガタガタと暫く揺られると、ガタンと急に停まった。
「動かないでくれ。失礼するよ・・・」
隣から腕が伸び、再び身体を担ぎあげられた。
暫く揺られると、頬に当たる空気が変わった。
どこかの家の中に入ったみたい。パタンと締まる扉の音。
パタパタと響く足音。「こっちだ・・・」若そうな男の人の声。
「お前たち、この人を大切に扱うんだろうな?」
わたしを担いでる男が言ってる・・・。
「あぁ、もちろんだ」これは、さっきの若い男の声。
廊下を歩いているのだろうか、くるくると方向が変わる。
やがて扉を開けたような音がした後、ふんわりとした感触の物の上に、そっと下ろされた。
「この人なの?」「ふーん・・・この人が?普通と変わらないじゃない」
何人かの声が聞こえる・・・中には女の人の声も。
「あぁ、そうらしい。あっちの屋敷で待ち焦がれていらっしゃる。会わせる前に、お前達はこの方の身支度をして差し上げろ。お前はもういい、ご苦労様」
「そうね、綺麗にしないと。こっちいらっしゃい」
腕は縛られたまま、目隠しもされたまま、身体が支えられると腕を引かれ、抵抗する間もなく立たされた。
「こっち、目隠しを取れるといいんだけど、逃げられると困るから。ごめんね・・ゆっくり歩いて」
女の人の声に導かれるようにゆっくりと足を動かした。
女の人の腕は、背中を包むように添えられている。
「そこ、段差があるから気をつけて」
キイッと扉を開くような音。足に意識を集中させ、段差を越えると、パタンと扉が閉められた。
少し固いものの上に座らされ、身に着けているものを抵抗する間もなく全部剥ぎとられた。
腕を縛っている布は取られたが、女の人の手が変わりに拘束していた。
「―――んんっ!」
言葉を発しようにも、口の布のせいで阻まれてしまう。
「あ、ごめん。もう少し我慢して。こっち来て・・・お湯に入るよ。髪も洗うからね」
お湯に入る前に目と口の布は取られたが、代わりに手が目を覆う。
この状態では、促されるまま、言われるままに動くしかない。
温かいお湯の感触と、石鹸のいい香りに包まれながら、これからどうなってしまうのかという不安な気持ちと、必死に闘っていた。
小屋の外では、サムが馬車の傍で人待ち顔で立っていた。
暫くすると男が満面の笑みで向こうの屋敷から出て来た。
「向こうに、あの方の主・・・依頼主が居られた。大変お喜びになられていたぞ。今回は苦労したが、仕事は成功だ。私たちの首が危ない時もあったがな・・・。お前たちにも報酬がはずめそうだ。ご苦労様」
肩をポンポンと叩き、満足そうに笑うと馬車に乗り込んだ。
それと、ぼそぼそと話す人の声。
馬車のようなものに乗せられて、ガタガタと暫く揺られると、ガタンと急に停まった。
「動かないでくれ。失礼するよ・・・」
隣から腕が伸び、再び身体を担ぎあげられた。
暫く揺られると、頬に当たる空気が変わった。
どこかの家の中に入ったみたい。パタンと締まる扉の音。
パタパタと響く足音。「こっちだ・・・」若そうな男の人の声。
「お前たち、この人を大切に扱うんだろうな?」
わたしを担いでる男が言ってる・・・。
「あぁ、もちろんだ」これは、さっきの若い男の声。
廊下を歩いているのだろうか、くるくると方向が変わる。
やがて扉を開けたような音がした後、ふんわりとした感触の物の上に、そっと下ろされた。
「この人なの?」「ふーん・・・この人が?普通と変わらないじゃない」
何人かの声が聞こえる・・・中には女の人の声も。
「あぁ、そうらしい。あっちの屋敷で待ち焦がれていらっしゃる。会わせる前に、お前達はこの方の身支度をして差し上げろ。お前はもういい、ご苦労様」
「そうね、綺麗にしないと。こっちいらっしゃい」
腕は縛られたまま、目隠しもされたまま、身体が支えられると腕を引かれ、抵抗する間もなく立たされた。
「こっち、目隠しを取れるといいんだけど、逃げられると困るから。ごめんね・・ゆっくり歩いて」
女の人の声に導かれるようにゆっくりと足を動かした。
女の人の腕は、背中を包むように添えられている。
「そこ、段差があるから気をつけて」
キイッと扉を開くような音。足に意識を集中させ、段差を越えると、パタンと扉が閉められた。
少し固いものの上に座らされ、身に着けているものを抵抗する間もなく全部剥ぎとられた。
腕を縛っている布は取られたが、女の人の手が変わりに拘束していた。
「―――んんっ!」
言葉を発しようにも、口の布のせいで阻まれてしまう。
「あ、ごめん。もう少し我慢して。こっち来て・・・お湯に入るよ。髪も洗うからね」
お湯に入る前に目と口の布は取られたが、代わりに手が目を覆う。
この状態では、促されるまま、言われるままに動くしかない。
温かいお湯の感触と、石鹸のいい香りに包まれながら、これからどうなってしまうのかという不安な気持ちと、必死に闘っていた。
小屋の外では、サムが馬車の傍で人待ち顔で立っていた。
暫くすると男が満面の笑みで向こうの屋敷から出て来た。
「向こうに、あの方の主・・・依頼主が居られた。大変お喜びになられていたぞ。今回は苦労したが、仕事は成功だ。私たちの首が危ない時もあったがな・・・。お前たちにも報酬がはずめそうだ。ご苦労様」
肩をポンポンと叩き、満足そうに笑うと馬車に乗り込んだ。