シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
「ぇ・・・?ぁ・・あの・・・っ!」
耳の横で、短く発せられた小さな抗議の声。
―――すまない。もう、止まらぬ―――
耳元の肌に唇をそっと乗せると、しなやかな身体がピクリと身動ぎ、か細い指先が服をキュッと掴んだ。
―――この印だけは、どうにも許せぬ。
君には分からぬかもしれぬが、私は今、彼奴に嫉妬しておる。
首筋の印を目にするたびに沸き上がる、この焼けるような醜い想いは嫉妬と呼ぶに相応しい。
かつて一度も味わったことの無いこの想い。
この柔らかそうな唇を、この白く美しい肌を、彼奴が束の間にも堪能したことを嫌でもコレは主張してくる。
目に触れるたびに心に擡げる感情はコレが消えるまで続く。
この先こんな気持ちでは君に接したくない。こんな醜い嫉妬の感情など、君にはぶつけたくない―――
耐えているのか、それともささやかな抵抗なのか、刻印をつけている間中、か細い指はずっと服を掴んでいた。
その長く美しい指先も艶めく髪の一本までも、全てが尊くて愛しい。
この肌は、もう二度と他の誰にも触れさせぬ。
刻印をつけ終わっても離すことが出来ず、少しずつ場所を変えては柔らかな肌に唇を落とした。
唇が触れるたびに、しなやかな身体がピクリと身動ぎ、唇からは声にならない吐息が漏れる。
その嬉しくも愛らしい反応を何度か堪能し、数刻後名残惜しげに唇を離した。
これ以上は私の理性が持たぬ・・・。
すると腕の中の身体は更にぐったりとしていて、服を掴んでいたか細い指がゆっくりと動き、力尽きたように脇に下ろされた。
頬は薔薇色に染まり、苦し気に吐息を漏らしている。
清楚に放たれる女の色香・・・腕の中のしなやかな身体・・・
閉じられた瞳からは涙が一筋頬に流れ落ちる――――――!
慌てて後ろ髪に差し入れた手を引き寄せて抱き締めた。
「すまぬ・・・・」
―――君を泣かせるなど・・・君を前にすると冷静さを欠く。
アランの眉が寄せられ、ブルーの瞳が惑うように不安げに揺れた。
頬の涙を掌でそっと拭い、ふんわりとしたクッションに背を預け、身体からゆっくり腕を離した。
「もう、何もせぬ。私は離れて向こうの席におる。君は安心して少し眠ると良い」
毛布を被せ直して向かいの席に行こうとすると、か細い指が引き止めるように袖をキュッと掴んだ。
頬は薔薇色に染まったまま、アメジストの瞳を恥じらうような色に染め、呟くように彼女は言った。
「待って・・・違います。これは、その、少し驚いてしまって・・・嫌とかそんなことじゃなくて・・・。わたし―――」
耳の横で、短く発せられた小さな抗議の声。
―――すまない。もう、止まらぬ―――
耳元の肌に唇をそっと乗せると、しなやかな身体がピクリと身動ぎ、か細い指先が服をキュッと掴んだ。
―――この印だけは、どうにも許せぬ。
君には分からぬかもしれぬが、私は今、彼奴に嫉妬しておる。
首筋の印を目にするたびに沸き上がる、この焼けるような醜い想いは嫉妬と呼ぶに相応しい。
かつて一度も味わったことの無いこの想い。
この柔らかそうな唇を、この白く美しい肌を、彼奴が束の間にも堪能したことを嫌でもコレは主張してくる。
目に触れるたびに心に擡げる感情はコレが消えるまで続く。
この先こんな気持ちでは君に接したくない。こんな醜い嫉妬の感情など、君にはぶつけたくない―――
耐えているのか、それともささやかな抵抗なのか、刻印をつけている間中、か細い指はずっと服を掴んでいた。
その長く美しい指先も艶めく髪の一本までも、全てが尊くて愛しい。
この肌は、もう二度と他の誰にも触れさせぬ。
刻印をつけ終わっても離すことが出来ず、少しずつ場所を変えては柔らかな肌に唇を落とした。
唇が触れるたびに、しなやかな身体がピクリと身動ぎ、唇からは声にならない吐息が漏れる。
その嬉しくも愛らしい反応を何度か堪能し、数刻後名残惜しげに唇を離した。
これ以上は私の理性が持たぬ・・・。
すると腕の中の身体は更にぐったりとしていて、服を掴んでいたか細い指がゆっくりと動き、力尽きたように脇に下ろされた。
頬は薔薇色に染まり、苦し気に吐息を漏らしている。
清楚に放たれる女の色香・・・腕の中のしなやかな身体・・・
閉じられた瞳からは涙が一筋頬に流れ落ちる――――――!
慌てて後ろ髪に差し入れた手を引き寄せて抱き締めた。
「すまぬ・・・・」
―――君を泣かせるなど・・・君を前にすると冷静さを欠く。
アランの眉が寄せられ、ブルーの瞳が惑うように不安げに揺れた。
頬の涙を掌でそっと拭い、ふんわりとしたクッションに背を預け、身体からゆっくり腕を離した。
「もう、何もせぬ。私は離れて向こうの席におる。君は安心して少し眠ると良い」
毛布を被せ直して向かいの席に行こうとすると、か細い指が引き止めるように袖をキュッと掴んだ。
頬は薔薇色に染まったまま、アメジストの瞳を恥じらうような色に染め、呟くように彼女は言った。
「待って・・・違います。これは、その、少し驚いてしまって・・・嫌とかそんなことじゃなくて・・・。わたし―――」