シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
“分かった。私の気持ちは変わらぬ。君以外には考えられぬ。だが、妃になることは容易なことではない。君の気持が固まるまでいつまでも待つ。もし君が嫌だと申すなら、私は、一生涯独身だな”
あのあと、そう言ってアラン様は優しく抱き締めてくれた。
“だが、私はもう遠慮せずに君に触れる。良いな?”
とも言っていたけれど・・・。
確かにそう言っていたけれど―――
「アラン様、あの・・・メイがまだいます・・・それにわたし、このせいで朝食が食べられなくて・・・できれば、やめていただけると・・・」
「ダメだ。私が君に触れられるのは、今の時刻だけだ。朝食はすまぬが、頑張って食べて欲しい」
いつものように朝食前に迎えに来てくれたアラン様は、いつものように鏡の前に座ってるわたしの手を引いて食堂まで行くのだけれど。
ここのところ毎朝、これにキスが加わった。
アラン様がこんな風にわたしを求めてくるなんて、思ってなかった。
氷の王子様ではなかったの??
「メイ、目を瞑っておれ」
「お待ち下さい。アラン様、出て行きますから」
メイが慌てて部屋から出ていく。アラン様は、腰をぴったり密着させて、セットした髪を乱さないように絶妙な力加減で後頭部を支えてる。
アラン様は知ってるの。
メイがセットしてくれた髪を乱さないためにも、わたしが動かないってこと。
だから、こうすれば逃げないってこと分かってるの。
アラン様はずるい。
こうしてキスしていても、アラン様はあまり表情が変わらない。
身体の奥が蕩けるように熱くなるキス。
それを朝食前にされてしまって、わたしだけいつもぐったりしたまま、食堂まで連れていかれる羽目になる。
アラン様は“これでも手加減しておる”と言ってるけれど。
せめて朝食前は避けて欲しい。
ほら、今日もぐったりしてるわたしを給仕の人が心配そうに見てるわ。
エミリーがアランに支えられながらゆっくり椅子に座る様を、給仕係りが怪訝そうに見ていた。
気のせいか、最近の朝食のメニューも変わった気がする。
朝からお肉が出てきたりして、スタミナの付くものが食卓に並ぶようになった。
もしかして、わたしが毎朝ぐったりしてるから??
今度料理長さんに聞いてみようかしら。
「エミリー、今日はラステアの姫君とルーベンの王子が来る。夜はパーティをするゆえ、君も参加して欲しい」
「パーティーですか?でも・・・わたしが参加してもいいのですか?」
「良い。君には参加して欲しい。案ずるな。私の傍から離れなければ良い。ダンスはもう完璧だし、マナーも完璧だ。恐れることはない。夜18時に迎えに行く。良いな?」
先に食事を済ませたアラン様は、いつもと同じ様に額にキスをして、食堂を出ていった。
あのあと、そう言ってアラン様は優しく抱き締めてくれた。
“だが、私はもう遠慮せずに君に触れる。良いな?”
とも言っていたけれど・・・。
確かにそう言っていたけれど―――
「アラン様、あの・・・メイがまだいます・・・それにわたし、このせいで朝食が食べられなくて・・・できれば、やめていただけると・・・」
「ダメだ。私が君に触れられるのは、今の時刻だけだ。朝食はすまぬが、頑張って食べて欲しい」
いつものように朝食前に迎えに来てくれたアラン様は、いつものように鏡の前に座ってるわたしの手を引いて食堂まで行くのだけれど。
ここのところ毎朝、これにキスが加わった。
アラン様がこんな風にわたしを求めてくるなんて、思ってなかった。
氷の王子様ではなかったの??
「メイ、目を瞑っておれ」
「お待ち下さい。アラン様、出て行きますから」
メイが慌てて部屋から出ていく。アラン様は、腰をぴったり密着させて、セットした髪を乱さないように絶妙な力加減で後頭部を支えてる。
アラン様は知ってるの。
メイがセットしてくれた髪を乱さないためにも、わたしが動かないってこと。
だから、こうすれば逃げないってこと分かってるの。
アラン様はずるい。
こうしてキスしていても、アラン様はあまり表情が変わらない。
身体の奥が蕩けるように熱くなるキス。
それを朝食前にされてしまって、わたしだけいつもぐったりしたまま、食堂まで連れていかれる羽目になる。
アラン様は“これでも手加減しておる”と言ってるけれど。
せめて朝食前は避けて欲しい。
ほら、今日もぐったりしてるわたしを給仕の人が心配そうに見てるわ。
エミリーがアランに支えられながらゆっくり椅子に座る様を、給仕係りが怪訝そうに見ていた。
気のせいか、最近の朝食のメニューも変わった気がする。
朝からお肉が出てきたりして、スタミナの付くものが食卓に並ぶようになった。
もしかして、わたしが毎朝ぐったりしてるから??
今度料理長さんに聞いてみようかしら。
「エミリー、今日はラステアの姫君とルーベンの王子が来る。夜はパーティをするゆえ、君も参加して欲しい」
「パーティーですか?でも・・・わたしが参加してもいいのですか?」
「良い。君には参加して欲しい。案ずるな。私の傍から離れなければ良い。ダンスはもう完璧だし、マナーも完璧だ。恐れることはない。夜18時に迎えに行く。良いな?」
先に食事を済ませたアラン様は、いつもと同じ様に額にキスをして、食堂を出ていった。