シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
「リードさん、ありがとうございました。もう戻りましょうか」
小鳥の飛んでいった方をじっと見上げているリードに声をかけると、バツの悪そうな顔をしてパッと横を向いた。
「別に、見とれていた訳ではありませんから、勘違いしないで下さい。さぁ、行きますよ」
ぶっきらぼうに呟くように言うと、さっさと門に向かって行く。
エミリーたちが森から出ると、門が再び軋む音を立ててバタンと、これまた重い音を立てて閉められた。
先頭にリード、少し後ろをエミリー、その後ろをシリウスとラウルが鋭い瞳を配りながら歩いていた。
王の塔の前まで来た時、後方から人影が目の前に走って来た――と思ったら、さっと抱き抱えられて護衛たちから離され、ストンと下におろされた。
護衛たちは気配なく近付かれ、あっけなく連れ去られたことに焦りながら身構えた。
「何をする!?そのお方が御正女様と知ってのことか!?」
「何者だ!そのお方を離せ!」
「全く、あなたの周りにはいつも厳つい男たちがいるな」
「あ・・・あなたは、あのときの―――」
緑がかった黒髪にグリーンの瞳。
あのとき、シルヴァのお屋敷で会った方。
“また、お会いしましょう”
どうしてあなたがここにいるの?
「御正女?あなたはもうアランの正室になったのか?」
「ぇっ・・・?いぇ、正室には・・・まだ・・あの、あなたは誰ですか?」
「君達。彼女を少しの間借りるだけさ。そんな恐い顔するな・・・よ―――っと」
シリウスとラウルの攻撃をするりとかわし、それぞれの後頭部に一撃をくわえた。
二人の体が膝から崩れ落ちていく。
「やめてください。シリウスさん、ラウルさん大丈夫――?」
「――おっと、あなたには大人しくしてもらうよ」
どんなに抵抗しても、がっしりと抱き寄せられていて、全く動くことが出来ない。
うめき声をあげて顔を顰めて蹲る二人の護衛。
「あっけないな・・・。さぁ、一緒に来ていただこうか」
「嫌です!離して下さい!!」
城の庭、王の塔の前で、凛と響くメゾソプラノの声。
男の眉がすっと寄せられ、グリーンの瞳が揺らぎ、腕の力が僅かに緩んだ。
「くっ・・・これか―――」
「エミリー様!どうかなされましたか!?」
エミリーの声を聞きつけ、警備兵たちが周りに集まって来た。
皆息を飲み、男を攻撃するタイミングをはかっている。
ジリジリと包囲を狭めていく兵士たち。
「何事だ!?」
ウォルターが人垣を割って入り、エミリーを抱え込んでいる人物を見て、驚きの声を挙げた。
「レオナルド様―――」
小鳥の飛んでいった方をじっと見上げているリードに声をかけると、バツの悪そうな顔をしてパッと横を向いた。
「別に、見とれていた訳ではありませんから、勘違いしないで下さい。さぁ、行きますよ」
ぶっきらぼうに呟くように言うと、さっさと門に向かって行く。
エミリーたちが森から出ると、門が再び軋む音を立ててバタンと、これまた重い音を立てて閉められた。
先頭にリード、少し後ろをエミリー、その後ろをシリウスとラウルが鋭い瞳を配りながら歩いていた。
王の塔の前まで来た時、後方から人影が目の前に走って来た――と思ったら、さっと抱き抱えられて護衛たちから離され、ストンと下におろされた。
護衛たちは気配なく近付かれ、あっけなく連れ去られたことに焦りながら身構えた。
「何をする!?そのお方が御正女様と知ってのことか!?」
「何者だ!そのお方を離せ!」
「全く、あなたの周りにはいつも厳つい男たちがいるな」
「あ・・・あなたは、あのときの―――」
緑がかった黒髪にグリーンの瞳。
あのとき、シルヴァのお屋敷で会った方。
“また、お会いしましょう”
どうしてあなたがここにいるの?
「御正女?あなたはもうアランの正室になったのか?」
「ぇっ・・・?いぇ、正室には・・・まだ・・あの、あなたは誰ですか?」
「君達。彼女を少しの間借りるだけさ。そんな恐い顔するな・・・よ―――っと」
シリウスとラウルの攻撃をするりとかわし、それぞれの後頭部に一撃をくわえた。
二人の体が膝から崩れ落ちていく。
「やめてください。シリウスさん、ラウルさん大丈夫――?」
「――おっと、あなたには大人しくしてもらうよ」
どんなに抵抗しても、がっしりと抱き寄せられていて、全く動くことが出来ない。
うめき声をあげて顔を顰めて蹲る二人の護衛。
「あっけないな・・・。さぁ、一緒に来ていただこうか」
「嫌です!離して下さい!!」
城の庭、王の塔の前で、凛と響くメゾソプラノの声。
男の眉がすっと寄せられ、グリーンの瞳が揺らぎ、腕の力が僅かに緩んだ。
「くっ・・・これか―――」
「エミリー様!どうかなされましたか!?」
エミリーの声を聞きつけ、警備兵たちが周りに集まって来た。
皆息を飲み、男を攻撃するタイミングをはかっている。
ジリジリと包囲を狭めていく兵士たち。
「何事だ!?」
ウォルターが人垣を割って入り、エミリーを抱え込んでいる人物を見て、驚きの声を挙げた。
「レオナルド様―――」