シャクジの森で 〜月夜の誓い〜【完】
レオナルドは片手をあげて、参ったというような仕草をした。
「しかし、アラン。彼女の護衛は少々甘いな?簡単に奪うことが出来たぞ。もしや、この柔らかなオーラのせいで弱くなっておらんか?」
レオナルドはゆっくりとエミリーの背中を押して、前に差し出した。
アランは、か細い腕をそっと引き寄せ、柔らかな身体を腕の中にぎゅっと仕舞いこんだ。
「全く、君は・・・。目が離せぬな」
「ごめんなさい。でも、急だったの。それに」
「すまぬ。続きは後で聞く」
ふっくらとした唇を指で押さえて、アランは目の前のグリーンの瞳を見据えた。
「彼らが甘い訳ではない。君が強すぎるのであろう。君の身軽さにはこの私でも敵わぬ」
「冗談だろう?氷の王子には誰にも敵うはずがない」
二つの瞳がぶつかり合い、ちりちりと辺りの空気が震えた。
レオナルドの拳が素早く繰り出され、咄嗟に出したアランの掌にパシンと当てられた。もう片方の手がすかさずアランを攻撃してくる。
エミリーをすっと後ろに回し、レオナルドの腕を掴み、攻撃の力を流してそのまま地面に組伏せた。見開かれるグリーンの瞳。
「レオナルド様!」
仰向けに転がったレオナルドの唇がプッと歪み、声を立てて笑い始めた。
その様子を見て、アランは眉を寄せながら倒れた体に手を差し出した。
レオナルドがそれをガシッと掴み、立ち上がった。
「レオ・・・」
「やはり君には敵わんな――――相変わらずだな、アラン。元気だったか?」
「レオ様!“元気だったか?”では御座いません!あなた様は何故、こう、いつもいつもトラブルを起こすのですか!皆様、大変ご迷惑をおかけ致しました」
爺は周りに集まっている兵士たちに深々と頭を下げた。
そしてアランの後ろで庇われているエミリーに向き直ると、これまた丁寧に深々と頭を下げた。
「貴女様も、大変申し訳御座いません。アラン様の大切なお方とお見受け致します。レオナルド様の無礼、どうか、この爺に免じてお許し下さい」
「爺、そうペコペコするな。まるで私が悪者のようではないか。それに、その方はアランの想い人なだけで、正室の方ではない。アラン、そうだろう?」
レオナルドが様子を窺うようにアランを見ると、フイッと横を向いていしまった。
その隙にエミリーの手を取り、指先にチュッと口づけをした。
「あなたは大変お美しい―――願わくは私をあなたの心の中に・・・。私は、ルーベンのレオナルド。レオナルド・コラダ・ルーベンで御座います」
「しかし、アラン。彼女の護衛は少々甘いな?簡単に奪うことが出来たぞ。もしや、この柔らかなオーラのせいで弱くなっておらんか?」
レオナルドはゆっくりとエミリーの背中を押して、前に差し出した。
アランは、か細い腕をそっと引き寄せ、柔らかな身体を腕の中にぎゅっと仕舞いこんだ。
「全く、君は・・・。目が離せぬな」
「ごめんなさい。でも、急だったの。それに」
「すまぬ。続きは後で聞く」
ふっくらとした唇を指で押さえて、アランは目の前のグリーンの瞳を見据えた。
「彼らが甘い訳ではない。君が強すぎるのであろう。君の身軽さにはこの私でも敵わぬ」
「冗談だろう?氷の王子には誰にも敵うはずがない」
二つの瞳がぶつかり合い、ちりちりと辺りの空気が震えた。
レオナルドの拳が素早く繰り出され、咄嗟に出したアランの掌にパシンと当てられた。もう片方の手がすかさずアランを攻撃してくる。
エミリーをすっと後ろに回し、レオナルドの腕を掴み、攻撃の力を流してそのまま地面に組伏せた。見開かれるグリーンの瞳。
「レオナルド様!」
仰向けに転がったレオナルドの唇がプッと歪み、声を立てて笑い始めた。
その様子を見て、アランは眉を寄せながら倒れた体に手を差し出した。
レオナルドがそれをガシッと掴み、立ち上がった。
「レオ・・・」
「やはり君には敵わんな――――相変わらずだな、アラン。元気だったか?」
「レオ様!“元気だったか?”では御座いません!あなた様は何故、こう、いつもいつもトラブルを起こすのですか!皆様、大変ご迷惑をおかけ致しました」
爺は周りに集まっている兵士たちに深々と頭を下げた。
そしてアランの後ろで庇われているエミリーに向き直ると、これまた丁寧に深々と頭を下げた。
「貴女様も、大変申し訳御座いません。アラン様の大切なお方とお見受け致します。レオナルド様の無礼、どうか、この爺に免じてお許し下さい」
「爺、そうペコペコするな。まるで私が悪者のようではないか。それに、その方はアランの想い人なだけで、正室の方ではない。アラン、そうだろう?」
レオナルドが様子を窺うようにアランを見ると、フイッと横を向いていしまった。
その隙にエミリーの手を取り、指先にチュッと口づけをした。
「あなたは大変お美しい―――願わくは私をあなたの心の中に・・・。私は、ルーベンのレオナルド。レオナルド・コラダ・ルーベンで御座います」