プレイボーイとのラブバトル?

─────

あれから...数ヶ月が経った。

「ふぇ...やだょ...やだやだーっ!」

「...美鈴、落ち着けって。」

今日は、俺たちの高校の卒業式。
美鈴はまだ式も始まっていないのに
泣きじゃくっている。

「だってぇ.....。」

「大学だって近いから一緒に
行き帰りできっからいいだろ?」

「イヤなのーっ!愛梨と離れたくないのっ!」

そっちかよ...。

「美鈴ーっ...。」

遠くから響く声。

「うおっ!」

俺は、後ろから来た鈴木に押し飛ばされて
壁におでこをぶつけた。

「やだやだやだよーっ!美鈴と
離れたくないよーっ!」

騒いでいる鈴木と泣いてもう
目が真っ赤な美鈴。

こんなんで卒業式は、
終了できるのだろうか...?

鈴木は、パン屋になりたいらしく
専門学校に行く道を選んだ。
健也は、家を継ぐために立派な
経済学部の大学─...

専門学校と健也が行く大学は
距離が離れすぎている。

そっちを悲しんだ方がいいんじゃないか...?

「離れてもメールも電話もしようねっ!」

美鈴を離そうとしない鈴木に
腹が立ってきた。

「うんっ.....。愛梨もねっ!」

2人の世界に入っている。

一応俺の彼女なんだけどな...。
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