プレイボーイとのラブバトル?
教室には誠司がいた。
窓から校庭を眺めている。
風で髪が揺れていて
近づいていくたびに誠司の優しい香りが
する─。
「あ。美鈴じゃん。どうした?」
振り向いた誠司をみると
言葉が出なかった。
「.....何で?」
「ん?」
誠司はなにがなんだか分かっていない。
だって─...
「なっ何でボタン全部ないのよっ!」
ネクタイもない。
ブレザーのボタンが2つない。
袖のボタンも両方ともない。
「...誠司のぶわかああ.....。」
普通ボタンは、彼女いるんだったら
守るでしょっ!
「ああ...そのことか。」
誠司はポンと手をたたいた。
「そのことかじゃないでしょっ!
誠司は、最ッ低!」
やっぱり彼氏の第二ボタンは
ほしいよ.....。
「何、怒ってんだよ。」
「怒らない彼女がどこにいるのよっ!」
「ヤキモチー?」
誠司は、しゃがみこんで私を
見上げる。
そういう可愛い顔しないでほしい。
「...ヤキモチだったらどうするの?」
「仕方がねえなー。記念に自分で
とっておこうと思ったんだけどさー。」
誠司はブレザーのポケットに
手を突っ込んで小さなものを
とりだした。
そして両手をグーにして私に
さしだしてきた。
「どっちだ?」
「ええ?」