初恋は夢の中
―― ゾウキン ――


私は慌てて、雑巾を貰いにお義母さんの元に走った。


お義母さんは、あらあらと言って雑巾をくれた。
私は、また走って居間に戻り、お酒を掛けられた男を拭いた。


「み、美和子…。それは?」
先生が、訪ねた。


私は何言ってんの?こんな時に…
と思いながら堂々と、
「ゾーキン!」
と言いながら、男の顔を丁寧に拭いた。


先生も、光ちゃんも慌てて、
「美和子!!」
「三和ちゃん!!」
と声を揃えて叫ぶ。



へっ…。
私は作業を止め、皆を見た。



一斉に、笑い声が上がる。



笑えないのは、勿論!
当事者達だけだった…




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