赤い狼 四





まぁ、それが妥当な反応だと俺は思う。うん、それが普通だ。


でも、稚春が混乱してるから何か反応を示さないと、とか思ってる余裕なんて皆無に等しい。



だって俺等は全員、隼人までもが稚春の手に握られている物よりか、その前の稚春の台詞にしか意識を集中させていないのだから。




「ちょっと、連!?何でウルウルしてるの?何で泣きそうなの?どうした!?」



「だって、ラブレターって…。ラブレター…。ラブレター…。」




ラブレターを連呼する連の顔を覗き込みながら焦る稚春を見ながら

そっかー、ラブレターか。

とぼんやりしている頭の中で呟く。



つーか稚春のその焦り方は連、泣きそうなんだな。…って、俺だって泣きたいし。




半ば拗ねながら稚春の手に握られた"渡す物"にやっと視線を落とす。




「黒…?」




そこで何か違和感を覚えて首を傾げ、疑問の原因を小さく呟く。




稚春の手の中にあるのは真っ黒な封筒。



ラブレターって言ってたから薄ピンクか白の手紙なんだろう、と思っていた俺には意外すぎた。



つーか黒をラブレターに選ぶか?普通。


不吉すぎるだろ。





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