赤い狼 四
稚春の考えている事が分かんない。と、いうか稚春の事だからきっと何も考えていないんだろうな。
稚春は黒が好きだから手紙も黒にしたんだろう。
稚春らしいと言えば稚春らしいな、と口元を緩める。
でも、それと同時に疑問が出てきた。
…稚春、黒色なんて好きだったっけ?
首を傾げて過去の記憶をさかのぼる。
…黒色が好きなんて事、一言も言ってなかったと思うんだけど。
あれ?と更に首を傾げる。
「ま、いっか。」
でも、その疑問は解決できずに放った。
「おい!何て書いてあるんだ!?隼人が読む前に俺が読んでやる!」
「離せ!連っ!お前が触ってぃぃ物じゃねぇんだ!」
「いや、まず俺に見せるべきでしょ~。分かってねぇなぁ、隼人は。」
「でしゃばるな、銀。それからお前等、一回落ち着け。…その間に俺が何て書いてあるか確認してやっから。」
「おい、棗も中身見る気満々じゃねぇか!人の事言えんのかよ!」
そして、俺がラブレターについて考えていた間に稚春は隼人にラブレターを渡したみたいで
ラブレター争奪戦が気付かない内に繰り広げられていた。