赤い狼 四
皆あれだな。
「餓鬼…。」
「だよね…。塚、私が書いたんじゃないんだけどね。」
隼人達に聞こえないように小さく呟くと、それと同じくらいの小声で稚春が苦笑いを溢しながら呟いた。
「…はっ?」
なんだって?と目を見開く。
稚春が書いたんじゃないの?
意味が分からない、という表情を見せると俺が理解していないというのが分かったらしい稚春は、慌てた様子で説明し出した。
「えっとっ、なんか今日、金髪の女の子に隼人に渡してって頼まれたの。差出人は"ひな"だって。知ってる?」
この言葉に、自分の耳を疑った。
「…ひ、"ひな"?」
「うん、そう。"ひな"って子からだって。隼人、モテモテだねぇ~。」
稚春がムフッと含み笑いをしながら隼人を見つめる。
「ま、カッコいいもん。ねっ!」
そのまま俺へと視線を移して同意を求めてくる稚春。
でも、俺は稚春に返事を返せなかった。
"ひな"って、あの"ひな"だよな?
そこから動けずに、ただ立ち竦む。