赤い狼 四
「とりあえず落ち着いて。そして手の力をもう少しだけ緩めてほしい。痛いから。」
そんな連に驚きながらも肩が痛いのは譲れない、と連の腕をポンポンと軽く叩いて痛みを訴える。
でもそんな私の訴えなんか気にせずに、むしろもっと強い力で私の肩をギュウッと掴む連。
「…っ、」
痛い!痛い痛い!
ギリギリと肩が絞まるように痛くて顔を歪める。
「寂しかったろ!?」
「ちょっとストップ!痛い!肩が痛い!ぃぃ加減気付いて!」
連がまた私の肩に力を入れて強烈な痛みが走った瞬間、連の質問に答えるよりも先に肩の痛みを大声で叫んだ。
「痛いって何が?」
「ぃぃから取り敢えず離せ!」
一瞬不思議そうな顔をした連は、視線を私の顔から下に移して…
やっと自分が掴んでいる私の肩に相当な力を入れていると分かったらしい。
「うぉあっ!わりぃ!大丈夫か、稚春!稚春!死ぬな!」
「そんなもんじゃ死なんわ!」
肩を掴んでいる手の力を抜くだけでぃぃのに、体ごと飛び退いて
その場で座ってアワアワと慌てて叫びだした連に同じく大声でツッコミを入れる。