赤い狼 四
何よ!その被害者っぷりは。
こっちの方が危うく被害を受けるところだったわよ!
ふんっ!と銀とは反対方向を向いて頬を膨らませる。
すると、最も恐ろしい人物が居ることに気付いた。
ハッとした私はすぐに土下座という体勢をとった。
今の私の状況だとこれが妥当だと思う。
「す、すいませんでした!とにかくすいませんでした!もうしません!許してください!!」
一言で言うと、謝罪ではなく懇願だ。
「おい。謝る相手間違えてねぇか?今の流れだったら普通、俺に頭下げるべきなんじゃねぇのかよ。
なんでコイツに土下座すんだよ。おかしいだろ~が。いや、気持ちは分からなくもねぇがよ。」
私の隣でブツブツと一人言のような文句を呟いている銀を無視して
頭を床にピッタリとつけたまま、今、私が恐れている人からの返事を大人しく待つ。
凄く怖かった。あの顔はさすがの私でも身震いを起こした。
塚、私が土下座している意味が全く分からない。
頭にクエスチョンマークを浮かべながら、床に這いつくばるようにして土下座している私を他人からの目で見た光景を想像してみた。
…………気持ち悪い。