赤い狼 四
いくら私でも予想はつく。
自分ではつけられない、つけることが不可能な傷。
そう。つまり、棗のその頬の傷は誰かにやられたって事。
その"誰か"は《SINE》以外の人だろう。
何故そう言い切れるかと言うと……もし、銀が棗の頬にあやまって傷をつけてしまったんなら銀自ら私に言ってくるだろう。
だけど今回、銀は何も言わなかったし私が棗の頬の傷に気付いた瞬間、焦った様子を見せた。
それは私にその傷がバレたら何かヤバい事があるからだろう。
だからもちろん、銀ではない。
だとすれば、美しい棗の肌に傷をつけた犯人は《SINE》以外の……敵だ。
そう確信した瞬間、身体中が熱くなった気がした。
「棗!!」
「ん?」
「今すぐ、棗の美しい顔に傷をつけた奴を連れてこい!私がぎったんぎったんに切り刻んでやるぅううぅうう!!」
「うるせぇよ。」
棗の顔に傷をつけた犯人を切り刻むのを想像して空気を切っていると連が
まるで、おかしな生き物を見るかのような表情をしていた。