赤い狼 四
おいおい連さん。未確認生物を見たかのように私を見るのは止めてくれないか。
私はこう見えてもれっきとした誇り高き乙女なんだからね!
「おい、稚春ちゃん。それはねぇよ。
稚春ちゃんが乙女だったらむさくてハゲたオヤジでも、乙女だって言ってるようなもんじゃねぇか。」
「言ってねぇよ。」
あらやだこの子。何をおっしゃっているのかしら。
ギロリと銀を睨みつける。
銀は自分のツッコミにまたツッコミを被せた私に感動したようで
「お、おぉ!!」
と感動の声をあげて拍手をしていた。
「なんだよ~、その華麗なツッコミ!素晴らしいじゃねぇの。銀様は感激しすぎで涙ボロボロじゃねぇかよ~。」
銀が泣く真似をしながら私を見てくる。
…気持ち悪い。
銀の菌が移るのを恐れて少しだけ銀との距離を離した。
「お、おいおい。稚春ちゃん…。」
…多分、今の私の顔はとてつもなく引き攣っていると思う。
だって、私を見ている銀の顔が悲しそうだし…。
でもまぁ、銀が悪いんだ。銀が。あんなヘッタクソな泣き真似をするから。