赤い狼 四
おかげでアゲアゲだった私のテンションは素晴らしいくらい急降下していった。
サゲサゲ?
そんなものじゃ済まされない。
サゲサゲで終わっていたならいい。でも、今の私はテンションが下がりっぱなし。
…下手をすれば隼人自体が嫌いになりそうな勢いだ。
なのに、この男ときたら。
「…怒ってんのか?」
「……別に。」
何、普通に話し掛けてきてるのよ。意味分からない。
本当に腹がたつ。
じわじわと心の中に黒いもやが溜まっていく。
じわじわ、じわじわ。
じわじわ、じわじわ。
「おい、稚春。」
ハッとした。
「な、何?」
「何じゃねぇよ。さっきからお前おかしいぞ。やっぱり今日、具合わりぃのか?」
なぁ、と心配そうに俯いたままの私の顔を覗き込んでくる隼人。
その間にも私の心の中に黒い塊が溜まっていく。
「熱あんのか?」
やめてよ。
「ボーとしてんぞ。」
"妃菜ちゃん"にもそんなに優しくしてるの?
「稚春―――?」
"妃菜ちゃん"に触った手で触らないで。