赤い狼 四





「…っ、ぁ…やめっ」



「るせぇ。」




気が付けば、隼人の顔が目の前にきていて。



隼人の唇が私の唇を食べるようなキスを繰り返す。




やめてよ、やめて。




"妃菜ちゃん"に触った手で触れてほしくない。


"妃菜ちゃん"のところに行ってきた隼人に触れてほしくない。



お願いだから触らないで。




懇願するように心の中で私に触れないようにお願いする。



でも隼人には聞こえてないから止めてくれる訳がない。


噛みつくようなキスが私に降ってくる。



息が上手くできない。苦しい。




「もっ、や…めてっ。」



「強行突破。」



「えっ、ちょ…んぅ…」



「素直になれ。」




隼人が逃げ出そうとする私の体をさっきよりも強く押さえつけてくる。



床に押し付けられた手首が痛い。


足が挟まれて身動きがとれない。



心が、痛い。



ギシギシと軋んでいく。


軋んでは歪み、軋んでは歪む。




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