赤い狼 四





隼人は、何で私にこんな事をしているんだろう。


何で、私なんだろう。


"妃菜ちゃん"が居るのに、何で。




何で、何でと疑問ばかりが浮かんでくる。


一人に絞らない隼人が腹立たしい。



でも、もっと腹立たしいのは




「口、開けろ。」



「やだ…っ、」




隼人のキスを嬉しいと感じている私自身だ。





「おい。口、開けろ。」



「触れないでっ…」




床に組み敷かれて身動きがとれない体をなんとかして動かそうとして隼人の体を押したり、足をバタつかせたりする。



とにかく隼人から離れたい。離れたいんだよ、隼人。



そう思いながら未だバタバタと足をバタつかせる。




すると、隼人が大きなため息をついて私を見つめてきた。




「何で嫌なんだよ。」




そう言って見つめてくる隼人の目は凄く真剣で思わず身震いを起こす。




「………。」



「言え。」



「………。」



「チッ、言えよ。」




かたくなに口を開こうとしない私に、隼人がイラつき気味に言ってくる。



"言え"って何よ。


言えって言われて簡単に私が言うと思ってるの?




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